国際誌論文

環境ホルモンで処理したエストロゲン反応細胞株の応答性遺伝子発現プロファイリング

Toxicology Letters 2006, 163.2, 130-141.

概要

環境ホルモンで処理したエストロゲン反応細胞株の遺伝子発現応答を特注DNAマイクロアレイを用いて調べ、エストロゲン活性と化合物の構造との関係をしらべた。使用した環境ホルモン類は5種のアルキルフェノール、4種のパラベン類、3種のベンゾイルフェノール類である。120種の遺伝子発現を用いてエストロゲンの生理作用を分析すると、遺伝子の統計的手法を使った発現解析に現行の活性測定法、つまりレセプター結合試験、酵母ツーハイブリッド試験、より正確な生理活性が決定できた。エストロゲンの刺激ででは、細胞増殖、遺伝子転写、細胞内物質輸送に関わるとされる遺伝子の発現が増加し、酵素や信号に関わる遺伝子の発現は抑えられた。比較的強力なエストロゲン様化合物の刺激を受けた細胞内の遺伝子発現に関わる遺伝子発現量は遺伝子によりまちまちで、酵素、信号伝達、細胞増殖、遺伝子転写、細胞内物質輸送などに関わる遺伝子はより安定してエストロゲンに反応するので、DNAマイクロアレイを用いる代わりにこれらのうちの幾つかのエストロゲン応答遺伝子をセットにしてエストロゲンの活性測定をすれば、DNAマイクロアレイを用いる方法より、手軽にエストロゲン活性が測れると思われる。

論文

Terasaka, Shunichi, et al. "Expression profiling of estrogen-responsive genes in breast cancer cells treated with alkylphenols, chlorinated phenols, parabens, or bis-and benzoylphenols for evaluation of estrogenic activity." Toxicology letters 163.2 (2006): 130-141.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378427405003206
DOI:10.1016/j.toxlet.2005.10.005

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